初めての南インド一人旅。ビザの話から珍事件体験記まで④ インドの結婚事情あれこれ

さてさて、この記事では今回のインド旅行で深く知った結婚について書いていきます。

日本人の感覚からすると ”え~!”とか、”へ~”とか、まあ、納得。と思うことなどなどです。

インドのカーストはまだ有効

いきなり、そんなにスゴいトピックから始まる?と思ったかもしれませんが。

そうです。ここから始めます。

インドの事は色々と浅く広く知っていたものの、インドの地に足を運ぶのは今回が初めて。

実際にその地に行ったことによって、色々な人に会って更に深く知りえた事がありました。

私は個人的にインド人と仕事で関わることが多く、特に日本にいた頃、IT系のプロジェクトリーダーをしていた時にインド人の男性6人位を束ねていた経験があります。

その頃はインドの事は何も知らず、日本のやり方で私の上司がチーム編成しました。

今思うと、女性が男性の上に付くなど、彼らには屈辱だったかもしれません。

(ただし、インドのカーストの職業リストにはITはないため、インドではカーストに関係なく働ける職業として、急成長したともいわれています。)

カーストって、簡単に説明すると、生まれながらに決まった位・身分ですね。

なので、多少の選択肢の幅はあるものの、職業は決められた範囲でのみ選択することができるのだそうです。

日本では一般的ではありませので、理解してもらうために簡単な例を挙げます。

例えば、こんな感じ

  • 元華族・皇族の子孫
  • 織田信長の末裔
  • 第xx代徳川家将軍の子孫

とか聞くと、自然と え~、スゴイですね。

と言ってしまいませんか?

何がすごいって、高い身分とか、歴史的に有名な人と血縁があることが直観的に

スゴイと思うのだと思います。

ただ、日本で一般的には、職業の選択肢は完全に限定はされていないですね。

インド人男性の不可思議な行動

今まで色んなインド人男性に仕事を通じて知り合いましたが、いつも疑問に思っていた事がありました。

それは、職場で女性にアプローチするのに、インドに数日間一時帰国して来たかと思ったら、既婚者になって戻ってくることです。

日本人から見て不可思議、疑問なので、インドの人からすると普通なのかもしれませんが。

これは、インドの両親や家族によって決められた人と短期間でお見合いをし、結婚をして来るのです。

色々な話を聞いて総合的に考えると、なるほどとも思いますが。

数回しか会ったことのない人と潔く結婚できるってある意味うらやましい~けど、すごいなあと思います。

(私が実施に見た面白い体験談は別の機会に書きます。)

インド人は基本的にカーストで、職業が限定されます。

今回ケララのアーユルヴェーダで会った人たちは、前回の記事で触れたように、お金もちの人達なので、殆どの人がカーストの高い位(ブラーミン)の人でした。

初めての南インド一人旅。ビザの話から珍事件体験記まで③突然お金が使えなくなって大パニック

そして、ケララというのはインドの中でも、宗教的な思想に偏らず、共存し、全体的に教育のレベルが高い(識字率は90%を超える)、なのだそうです。

こういった理由から海外で働く人も多いのだとか。

そして、海外でしばらく働いて、ケララに戻ってきて働くという、いい循環が作り上げられ、英語や、その他の外国語をたくみに操れる人も多い、国際的な州と言えます。

このような背景があるにも関わらず、カーストの位が高いインド人には特別待遇。

色々な習慣や身分というのは、潜在意識の中で働いているようです。

つまり、インドでは、一般的にはカーストの身分は今でもとても重要だと思う人が多いのだそうです。

娘の結婚相手はお母さんがネットで選ぶ

今回会った人の中で私が良く話した人は数人いますが、ボンベイから来たマダム(これからマダムXと呼びます)は色々話してくれたので、インドの文化、社会事情を知る良い機会でした。

毎晩、ご飯の後、くつろぎながら暇な人を見つけてはお茶を飲みながらおしゃべりしていましたのですが、このマダムXいつも携帯をいじってなんか忙しい様子。

私が、

「マダムX,何をそんなに毎晩忙しそうにしているの?仕事?」

と聞いてみると、おもむろに携帯の画面を見せてくれました。

なんと、そこには驚きの画面が!携帯の画面には

出会い系のサイトで若い男子の顔とプロフィールがいっぱい。

「は?」

私は心の中で、

「マダムXって旦那さんと一緒に来てたよね?」

「不倫?」

「年下好き?」

とか、わずか5秒位の間に私の頭の中ではスーパーコンピューターなみの速度で

色々考えてしまいました。

で、マダムX,

「私は忙しいから、明日またおしゃべりしましょうね。」

と。去っていきました。

なんか、聞かなかったらよかったかな?

とその晩よく眠れなかったんです。

夕方のウォーキングでの人生談

翌日の夕方マダムXと日課だったウォーキングに行きました。

お互いの家族とか、世界観を色々シェアしました。

私は、日本人としての人生のあり方、仕事ばかりの生活で疲れてしまったこと、人生設計の話。

マダムXは、結婚に至った話、そして、2人のお嬢さんの話。

(夕方の散歩で会った牛の散歩をする近所の人) 

そして、昨晩見た出会い系サイトの謎が解けました。

マダムXは独身のお嬢さんの結婚相手を探していたとのこと。

インドでは一般的にお母さん、または両親や親せきが条件など合う人を探すのだそう。

しかも昨晩見せてくれた出会い系サイトは、政府公認の協会が運営しているとのこと。

政府公認の出会い系サイトって?

と思いましたが、色々聞いていると、文化的な要素が色濃く反映していて、インド全体が同じ動きをしている事がわかりました。

インド人母は占いもたしなむ(アストロジー)

マダムXはカーストで一番高いクラスの一つであるブラーミーのおうちに生まれたそうで、

女性が高い位のカーストの場合、結婚する男性が自分よりも低いと、子供はお父さんのカーストになるため、女性は自分と同じ又はそれ以上のカーストの人を選ぶのが習わしとのこと。

つまり、女性が高いカーストの生まれ場合、結婚相手を選ぶ時に需要と供給のバランスで不利になるわけですね。

マダムXが若いとき、25歳を過ぎていたので、相手選びの時期に乗り遅れ、元々の選択肢が狭いのに、更に形勢不利な状態で相手を探したので、相手がいなかったのだとか。

そして、結婚生活はとても不幸せだったと振り返っていました。

一方で、インドでは、特にマダムXの年代では女性が職業を持つことはなかなか難しかったため、結婚は社会保障だとも言っていました。

インドでは、結婚の際に占い(生年月日などをもとに相性などを占う)もしますが、マダムXは形勢不利な状況だったので、相性が良くなかったのに結婚を進めたため私の人生はこうなった。

と信じていました。

なので、自分の娘には同じ思いをさせまいと、自分が率先して、情報収集と、占いも基本を勉強して相手を毎日吟味しているとのことでした。

結婚までの流れは?

ここまで話を聞いて、よくわからない人も多いのではないでしょうか?

私も実は良くは分かりませんが、マダムXに聞いた話、インド人の友達に聞いた話をまとめると、結婚までの流れはこんな感じです。

  • 男女共に適齢期が来ると(またはそれ以前から準備)父母や親せきが家柄や職業など適切な人を親類や友人をはじめ色々なルートから結婚相手を探してくる
    • 探すルートは色々あり、条件が厳しい、親せきなどに独身者がいない場合はマダムXのように政府公認の協会や、専門の会社を通じて探す場合もあり
  • もし、結婚相手が幼馴染みなど当人同士が知っている場合、両親などが本人にその相手と結婚する意志があるか、確認する。
  • もし、本人が知らない人同士であれば、一回家族と一緒に顔合わせをする。
  • その後場合によっては、携帯やパソコンなどでチャットなどできる場合もあるが、マダムX曰く、西洋式にデートに行って、お食事を二人でして、という段取りはないのだそう
  • 基本的にお互いの家族が条件など納得した上で話が進む
  • 本人がOKなら段取り通り進める(婚約、結納、結婚式の日取り等)
    • 日にちの決定に占いなども利用する場合がある
  • 結論を出すまでに直接会うのは1回(または2回位なもの)
  • 下手をすると、結婚式当日であったのが2または3回目(事前の写真撮影などで1回位会うため)という事がほとんどだそう。

こういった色々な話を総合して考えると、今まで不思議だと思っていたインド人の同僚たちの行動も、点と点が繋がりストーリーとなり納得できるような気がしました。

インドも歴史の長い国で、独特の文化を持つ国なので、知れば知るほど、深い味があるんだなあと思いました。

この記事が皆さんのお役に立てればうれしいです。役立ったと思った人は是非下のボタンでお友達にシェアしてくださいね!

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする