この記事では、Yoshの抗がん剤2回目、初めての外来治療の体験を書いています。
「外来」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
Yoshは正直、入院しなくていいので、自分で病院に行って、点滴して、帰ってくるだけでしょ。入院よりラクそうでよかった!くらいにしか思っていませんでした。
でも、これが、結構甘かった。

入院から外来へ——何が変わるのか
1回目は入院して抗がん剤を投与しました。アレルギー反応や体への影響を確認しながら進める必要があるため、最初は入院が基本なのだそう。
日本で癌治療をする際、通常の場合は健康保険を使って治療を受けますよね。
人によって、国民健康保険とか、社会保険など、人それぞれですが、窓口負担は1割から3割。
勿論、癌保険などに加入している人は、保障の内容によって、対象になっている部分を別途請求手続きして支払いを受けますが、治療自体は、基本は、厚生労働省が標準治療とされている内容で治療は進められます。
専門家ではないので、詳しいことは分かりませんが、病院はこういう取り決めの範囲内で、患者の年齢、病状などから医師が判断して、治療を進めていきます。
なので、抗がん剤治療は、医師の判断で2回目から外来で大丈夫、または入院が必要などと決められます。
そして、Yoshは2回目からは「外来で治療できる」と判断され、通院治療に切り替わりました。
ただし、外来治療は2日にわたって通院する必要があります。つまり、もし病院まで遠い場合は、通うだけの体力が必要で、決められた時間内に行かなくてはいけないのです。
これから記事を書いていきますが、通院の回数を重ねるごとに結構色々な負担を感じていくことになります。
治療については、基本的には1日目にR(リツキシマブ)、2日目にCHOP(残りの4種類)という流れで、どちらも3時間以上かかります。R-CHOPについては前回の記事で詳しく書いているので、そちらも参考にしてください。(※リンク)
Yoshが通院した大学病院限定の話になりますが、外来の抗がん剤治療は、色々なタイプの癌治療を一つの科がそれぞれの科(Yoshの場合は血液内科)から指示された抗がん剤を用意して、点滴治療をしていきます。つまり、看護師さんたちは点滴のプロですが、多種類の癌それぞれの治療方針や、薬剤の詳細な内容まで熟知しているかというと、それは少し違うかもしれません。
病院のシステムが、カオスだった
外来に着いて最初に感じたのは、受付、看護師、各科の連携がうまくいっていないということ。
この大学病では、科ごとに違うシステムを利用していて、患者の呼び出しの方法も科ごとに違っていました。患者側からすると、どこで何をどうすればいいのかが分かりにくい。
説明もする人によって内容もレベルもバラバラで、つまり、情報共有が非効率で、それが原因で、現場に負担が大きいように見えました。
最近病院も含めて、DXなんて言われていますが、まだまだマニュアルで仕事をしているので、効率は悪いですね。そして、現場で頑張ってくれている本人たちも混乱している様子でした。
Yoshの心の声:「現場が混乱しているのだから、患者が混乱するのは当然だよね」
でも、ぶっちゃけ、色々なタイプの癌患者には、それぞれに違う対応をする必要があり、それはシステムの画面では分からないことも含まれます。そういったことに対応してくれている看護師さんたちは本当に大変だと思います。混乱しながらも一生懸命対応してくれていました。
外来では防護服なし
ベッドに案内されて点滴がスタート。ここで気付いたことがあります。
1回目の入院の時、看護師さんたちは全身防護服に、パンデミックの時によく見たマスクと手袋で、物々しい格好で点滴を見守っていました。
でも外来では、いつも見る普通の看護師さんの制服のまま。
Yoshの心の声:「え、防護服なしでいいの?」
大学病院は科ごとに方針が違うのか、外来での抗がん剤治療は防護服なしだと看護師さんが言っていました。
看護師さんたちは、医師が指示した薬剤を薬剤部が事前に用意し、決まった手順で点滴をします。複数の薬剤がある場合は、順番を守って、指示書を確認しながら次々と交換していきます。
手順が決まっているため、ぶっちゃけ、深い知識は必要ないのかもしれないし、薬剤の名前は知っていても、その薬がどういう薬で、どういう効果や副作用があるかなどを全員が詳しく把握しているわけではないのかもしれません。でも、それはどの医療現場でも同じかもしれません。
やっぱり血管が見つからない

Yoshは血管が細くて見つかりにくいタイプ。点滴を刺す前に、毎回これが一仕事です。
ただ、血液検査の血液採取担当よりも、もっと血管探しのプロだと感じました。
血管探しコンテストとかあったらみんな、上位に食い込むこと間違いなし!
「そんなところに血管あったんだねー」と思うように、深い血管を探し当てるのがうまいと感動しました。
抗がん剤治療をする人はCVポートという小型の医療機器を皮膚の下に埋め込むことを勧められるようです。(Yoshは血管が見つけにくいので勧められましたが、癌患者全員に推奨されているのかは不明です。)
CVポートがあるメリットは、病院側は血管を毎回探す手間が省けること、患者側も毎回針を刺す痛みの軽減や、血管を探す手間をかけているという精神的な負担も軽減されます。
さらに、機械的に薬剤が確実に血管に届くので、薬剤が漏れる心配もなく、安全面からのメリットも考えられます。ただし、患者は機器が埋まっていることで、生活面や、見た目でのストレスも感じるでしょう。
Yoshは、抗がん剤治療は6回(×2で実質12回)と決まっていたのと、毎日「私は癌で機器が体に埋まっている」と思ってしまうと感じたので、CVポートの埋め込みは断りました。
ただ、再発などして再度治療が必要な場合はCVポートを付けるかもしれません。CVポートの話は別記事で詳しく書いていくかもしれません。
この日も担当の看護師さんが血管を探すも、見つからない。YoshのカルテにはCVポートなし、血管見つかりにくい、と書かれているはず。
血管を探す看護師さんからすると、招かざる患者ですよね。ただでさえ忙しいのに。
この時、初めてCVポートをつけていた方が良かったのかもしれないと思ったのを思い出します。
抗がん剤治療の点滴は、健康診断などでする血液検査のようなほっそい血管ではなく、大きめの血管を探して、針を入れて、細いチューブを深く入れ込む必要があります。
初めての血管探しで、看護師さんからは緊張と困惑を感じられます。
なので、Yoshは「痛い」とか言葉でも顔でも表情しませんでした。
そして、思った通り一発目を失敗して、申し訳なさそうに謝られたので、「私の血管が見つかりにくいのが悪いので、何度でもやってください。まだ左手も脚も残ってるから全然大丈夫です!」と言いました。
後で余談として聞いたのですが、一度刺して失敗すると、その穴から薬剤が漏れる可能性があるので、すぐ隣に刺したりするのはダメで、失敗した場合、かなり距離を開けるか、違う場所の血管を探さなくてはいけないのだそう。
なるほどー。なので、患者はいくらでも刺していいと言っても、そんなに何回もチャンスはないんだなあ。と思いました。
因みに、これから回数を重ねて、差せるポイントをいくつか抑えられるようになって行きました。
点滴中に食事OK——ベッドで至福のひと時?
外来治療開始前の説明で、点滴中に食事OKと聞いていました。
実はYosh、この日のために食料を準備万端で持参していました。
でっかいおにぎり2つ、サラダ、デザート、お菓子、ペットボトルのお茶2本。
準備が整い、カーテンが引かれた時点で、看護師さんに「お腹がすいたので、もう食べてもいいですか?」
「どうぞ、ベッドで食べていいですよ。」
Yoshの心の声:「やっとご飯だーやった!」

プレドニンのステロイド効果で食欲が爆上がりになっているYoshは、通常の癌患者のイメージとはかけ離れていて、いつも食べ物のことばかり考えていました。
でも後から気づいたのですが、一般的に癌患者は食欲が落ちることが多いので、食事の話でこんなに嬉しそうな顔をしたのはYoshくらいだったかもしれません。
そういえば、入院開始の時に、向かい側のベッドにいた患者さんの事を思い出しました。
その患者さんは、癌治療の大先輩みたいで、長年治療を受けているようでした。
Yoshの感じた印象は悟りを得た人のようでした。
栄養士さんと話している声が漏れ聞こえてきました。「もう、食欲なんてないから、食事もいらない、食べれるとしたらうどん1、2本。」
その時Yoshは、「私だったらうどん1、2杯(大盛で!)だよねー」と思ったのでした。
カーテンの向こうで他のベッドの様子はよく分かりませんが、この辺りの話はまた別の記事で書きます。
食事も終わり、点滴も、絶好調に進んでいきます。
点滴では、ものすごい眠気と疲労感が押し寄せてきます。他の患者さんもいびきをかいて爆睡している様子がうかがえます。
やはり、抗がん剤の効果は強いのだと思います。
薬が体に入ってくるにつれて、体が反応しているのがわかります。
まるで、体が「休め」と言っているような感覚です。
薬の効果に対応するために体力が必要、身体の他の機能を休ませて、体力を消耗しないようにしている感じです。
帰り道と帰宅後——外来治療はベッドの上で終わりじゃなかった
抗がん剤治療中は、車の運転は危険なため、公共交通機関で来るよう指示されていました。Yoshは普段、車を自分で運転して病院まで通っていたのですが、この日からは電車とバスを乗り継いでの通院です。
帰り道、バス停から駅まで少し歩く必要がありましたが、初めての外来での抗がん剤治療後、心配していたほど体調は悪くない。少し頭がふらふらしたり、目が見えにくかったりはしましたが、吐き気もなく、なんとか一人で帰れました。
「あれ、思ったより大丈夫かも」と思いながらなんとか帰宅したYosh。
しかし、帰宅後にやはり、身体がだるい、全身がなんとなく倦怠感がある感じがするなと感じていた頃、突然、左肩に激痛が走りました。
左肩にはプロレスごっこで追った古傷があり、(これはYoshの個人的見解ですが体の弱い部分や、けがをしたところに癌細胞が集まりやすいのかと思いました)左肩にも癌細胞があると、画像診断に出ていました。
その左肩に激痛が走りました。痛みは、身体の深いところまで響いている感じがして、呼吸で肺が動くと痛いので、呼吸ができない。
Yoshは格闘技を何年もやっていたので、ケガとかの痛みには結構強いのですが、こういう痛みは初めての経験で、突然の事に、どうしていいか分からない。
しばらくの間、息が出来ないので、窒息しそうな状態になりました。
この日はたまたま家族も留守で、自宅で一人でした。
動けない。声も出せない。助けを呼ぶこともできない。
時間がどのくらい経ったか分かりませんが、大きく息をしないで、小刻みに浅く呼吸をすることで、痛みが少ない事に気付き、なんとか息ができるようになりました。
痛みも少しずつ小さくなり、次第に痛みは引き、ひどい眠気と疲労感が襲ってきてそのまま寝落ちてしまいました。
因みに、後日、病院でその話をしても、あまり耳を貸さないというか、聞いてない。事務的に治療は進んでいくので、原因は今もはっきりとは分かりません。
まとめ——抗がん剤外来治療、豆知識
初めての外来で学んだことをまとめます。
一つ目は、システムや説明が分かりにくくてもイライラしたり、焦ったりしない。病院側も一生懸命対応してくれている”はず”です。分からないことは遠慮なく聞く方がいいです。これから長い付き合いになっていきますので、感じよく。
二つ目は、時間の管理が大事。治療の回数を重ねていくと、体調で思うように行動できなくなってきたりします。時間に余裕をもって行動するといいでしょう。
三つ目は、治療は2日がかり(またはそれ以上)になることを想定しておく。1日目と2日目、合わせて6時間以上の治療時間に、待ち時間、結構な時間を要することになります。
四つ目は、食料や、お気に入りのものを準備する。食欲がある人は、好きな食べ物、食べれる食べ物を持っていくことを強くおすすめします。治療中は、病気が良くなるのか、命の危険もあり得る状況で、心は穏やかではありませんよね。食欲がある人は食べ物で気持ちを和らげるのもいいと思います。食欲がない場合は、好きな音楽を聞くなど、自分で自分の機嫌を取るのはとても大事なことです。待ち時間が長いので、体調が大丈夫な時には本を読んだりするのもいいですね。
五つ目は、帰宅後も一人にならない方がいい。少なくとも最初の数回は、可能であれば、家族や誰かに近くにいてもらえると安心です。
これから外来治療を控えている方に、「こういうものだと知っておくだけで、少し気が楽になる」と思ってもらえたら嬉しいです。
次回は、1回目の治療後から始まった脱毛の話を書いていきます。