HISのアジアアトランティックエアラインズが大赤字で香港の会社に実質引き取られる

アジアアトランティックエアラインズって知ってますか?

大雑把に説明すると、HISが88%株を保有しているタイのチャーター専門の航空会社です。

(残りの12%はバイヨークグループ Baiyoke Group が保有しています)

英語で書くと Asia Atlantic Airlines = 略称は AAA

2012年に設立、実際のフライトは2013年6月から開始しています。

開始当時はタイでは派手に宣伝してました

当時、色々なフリーペーパーで広告を目にしました。

日本行き航空券が、まだ激しい価格競争時代にはなってなく、また、タイ人の日本入国に際しビザが免除になったタイミングを狙ったのだと思うのですが、4年が経過した今、タイでは全然聞かないこの名前アジアアトランティックエアラインズ。

数年前の記憶をたどって思い出してみると、広告に書かれていた文言はこんな感じでした。

  • バンコクから日本(成田空港だった気がする)へチャーター便で、お手軽価格で帰国が可能
  • ビジネスクラスもお手頃価格
  • バンコクから出入国の際にプライオリティレーンが利用可能。(プライオリティレーンとは、バンコクの出入国はいつも混んでいて時間がかかるので特別な人(特別料金を払っている、何の会員になっている等)は一派ではないレーンで早くセキュリティチェックができるシステムです。)

とまあ、記憶だけなので100%正しくないと思いますが、こんな感じでした。

広告をみて、値段はそこそこ安いけど、メリットが分かりずらく、特にアジアアトランティックエアラインズじゃないと損する!みたいな印象はなかったと記憶しています。

また、マイラーの人には特典もないので、そこまで気にならない感じがしました。

日本ビザ解禁で競合ひしめく日本行きのLCC 格安航空券事情

そして、2013年7月1日に外務省から正式に発表された、

14日以内の観光に限りタイ人が事前にビザの取得なしで訪日が可能になった

(参照先 外務省ホームページはこちら)

のを機にものすごい数にタイ人が日本に津波のごとく押し寄せることになるのです。

JNTO調べによる訪日タイ人の数など、桃がどんぶらこバンコクにやって来た – ピーチで沖縄へGO!から見てみてくださいね。

そして、無論、こんなビジネスチャンスをあらゆる分野のビジネスが放っておくわけもなく、日本行きの便が急増しました。

利用者数が増えれば、便数も増えます、そして、価格競争になり価格も安くなります。

時間と共に、東京のみならず、大阪、広島、北海道、九州、沖縄とどんどん各社が路線を増やしていく事になります。

特にLCCでのチケット予約は、オンラインで全て完結するので、日本に行ける余裕のある所得層の人たちは日中忙しく働いているので、パッと見て、友達に連絡して、

「行く?値段ok?」

「OK」

みたいなノリで即予約。楽なんですね。

一方でアジアアトランティックエアラインズはチャーターなので、窓口に行って申し込んだり、なんだかのやり取りが発生し、手間がかかる。

現在、例えばバンコクから東京に行くのに利用可能なLCCは、スクート/タイガー航空、エアアジア、が直行便を出しています。

知り合いのタイ人が行っていたのですが、深夜便で行けば、機内で寝ちゃうんだから、シートの種類も気にならないし、機内サービスはかえって睡眠の妨げになるので邪魔。

とのこと。

シンプルでいいんです。

不調と事故未遂連発で評判もガタガタ

元々、チャーター専用の会社で、レガシー航空会社からボーイング767-300ERのお古を購入してサービスをしていました。

それが原因なのか、運が悪かったのかはわかりませんが、日本からの出発も含め何度も遅延,欠航を繰り返し、評判はネガティブなものばかり。

ネットの評判抜粋です。

HISのサイトでアジアアトランティック航空のビジネスクラスを予約。支払いを完了した後、出発1週間前に航空会社がフライト自体をキャンセルしたので親会社のHISからメールで他社のエコノミクラスに振替えるか、キャンセルするか連絡あり。キャンセル理由を聞いたが答えない。すべてキャンセルし代金返却要求するも1ヶ月弱経つが未だ何も手続きなし。

初めて利用しました。成田ーバンコクの往復です。
運行の遅れはありませんでした。
アルコールは有料、エンターテイメントの類は何もありません。ただ、歩くバンコクHIS編がもらえます。
最大の問題は機体がボロすぎるという事。リクライニングは完全に壊れていてボタンを押すと押したまま戻らず椅子はびくともしないという状体です。トイレは数が少ないのと、あまり使いたくないと思わせる汚れ具合です。
2度目は無いでしょう。

など、ネガティブなコメントが多いです。

実際アジアアトランティックエアラインズはいくらの赤字なのか

では、アジアアトランティックエアラインズの赤字で売上と純損失金とはおいくらか

  • 2016年7月期は売上高10億2600万バーツ  約34億0300万円
  • 当期純損失2億8100万バーツ  約9億3200万円

とのことです。

今後はというと、新たに香港で設立される企業と航空業務サービスを手がけるタイ企業を引受先に第3者割当増資を実施し、財務基盤の強化、中国を中心とするアジア圏への新規路線開設を図る。

つまり、やっぱり中華圏の企業に持っていかれてしまうということですね。

うまくやればそれなりにいい利益を生むビジネスだけに、基板を作ってはいどうぞ、というのは日本人の最近のビジネス傾向のように思います。

中華系では、利益が出ないものには手を出しませんから。

現在、アジアアトランティックエアラインズではオンラインで予約ができるのは、日本では北海道の千歳空港のみになっています。

予約はこちらから可能です。

http://www.asiaatlanticairlines.com/

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